クラウドサービスが便利でコスト削減にもなると注目されています。導入を検討している方もおられると思いますが、クラウドサービスの違いがわからないという方も多いと思います。この記事ではクラウドサービスの種類や特徴がよくわからないという方のために、SaaS・PaaS・laaSという3つの種類についてご説明します。
- 1.クラウドサービスの種類1:インストールなしでソフトウェアが使える“SaaS”
- 2.クラウドサービスの種類2:すぐに開発ができる“PaaS”
- 3.クラウドサービスの種類3:自由な開発ができる“laaS”
- 4.まとめ
1.クラウドサービスの種類1:インストールなしでソフトウェアが使える“SaaS”
SaaSとは「Software as a Service」の略で「サース」と呼ばれています。直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」という意味になります。名前の通りソフトウェアを提供するサービスです。
SaaSの特徴
最大の特徴は端末にソフトウェアをインストールしなくてもいい点です。従来のソフトウェアはCD-ROMやDVD-ROMなどのパッケージを使ってパソコン本体にソフトウェアをインストール必要がありました。
そのため、ソフトウェアがインストールされていない端末では作業ができませんでした。SaaSはインターネットに接続できれば、いつでもどこからでもソフトウェアを利用することができるようになります。今まではソフトウェア購入する必要がありましたが、SaaSなら必要な時だけ利用することができるのです。
導入が簡単
SaaSはアカウントを作成するだけで利用でき、パッケージ型のようなめんどくさいインストール手順などは必要ありません。サービスにログインすればすぐにソフトウェアが使用できます。会社では1つ1つのパソコンにソフトウェアをインストールする必要がないだけでも作業負担がかなり減りますね。
どこでも利用できる
SaaSはインターネットに接続できれば基本的にどこからでも利用できますし、 アカウントを作成すればどの端末からでもソフトウェアを使うことが可能です。
例えば、午前中はオフィスで作業し、午後は出先から、夜は家でそれぞれ別のパソコンを使いながら同じデータを同じソフトウェアで編集できるようになります。提供されるサービスにもよりますが、パソコン、タブレット、スマホなどデバイスにとらわれずに同じソフトウェアを利用できるものもあります。WindowsとMacOSの両方で使えるのもうれしい点です。
ファイルの共有と同時編集が簡単
SaaSは複数人でリアルタイムに同じデータの編集が可能です。作成したデータを他のメンバーも見ることができるので、いちいちデータを送信して相手の返信を待つ時間と手間は必要ありません。
入力した内容は、ほぼリアルタイムで反映されるので、入力と同時に他のメンバーと共有することができます。ファイル共有と同時編集機能でグループワークや離れたメンバーとの作業も効率的になります。
保存容量が小さいデバイスでも使用できる
SaaSはオンラインサービスなのでソフトウェアを自分のパソコンや携帯端末ではなく、インターネット上に保存し利用できます。インストールする必要がないので保存容量の小さいデバイスでも容量を気にせず使用できるのがポイントです。
万が一にも安心
もしパソコンが壊れてしまってもSaaSで作成したデータは無事です。他のデバイスでサービスにアクセスすれば作業を続けられますし、ソフトウェアの再インストールなども必要ありません。
料金は使った分だけ
SaaSの多くは月額料金制が一般的で使わない月は料金は発生しません。高額のパッケージ型ソフトウェアを購入するよりも費用をを抑えることができます。
例えば1ヶ月だけ複数人でソフトウェアを利用し、その他の月は1人が使用できれば十分という場合、SaaSの方が効率的で無駄がありません。
長期的に見てもお得
買い切りのパッケージソフトウェアは毎月の費用は発生しませんが、ソフトウェアを常に最新の状態にしておくには定期的に新しいソフトウェアを購入しなければいけません。SaaSではソフトウェアは常に最新の状態ですので買い替えや再インストールは必要ありません。使用状況にもよりますが長期的に見てもSaaSの方がコストを抑えながらの利用ができそうです。
2.クラウドサービスの種類2:すぐに開発ができる“PaaS”
PaaSは「Platform as a Service」の略で「パース」と呼ばれています。直訳すると「サービスとしてのプラットフォーム」という意味になります。アプリケーションを開発するプラットフォームを提供するサービスです。
Paasの特徴
PaaSはインターネットにアクセスできる環境があればどこからでもアプリケーションの開発ができる環境を提供しています。
アプリケーションをゼロから開発するわけではなく、ミドルウェア、開発ツール、ビジネスインテリジェンスサービス、データベース管理サービスなどがすでに準備されていますので、比較的簡単にアプリケーションが開発できます。
PaaSはWEBアプリケーションの作成、テスト、デプロイ、管理、更新に対応し、あらゆるアプリケーションを構築できるリソースが揃っています。
SaaSとの違い
SaaSはソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービスでしたが、PaaSはソフトウェアを開発する環境を提供しています。決められた環境で開発をするので自由度は下がりますが、コストを抑えつつスピーディーな開発が可能です。
時間の節約になる
アプリケーションを環境からすべて整えようと思うとかなりの時間がかかりますが、PaaSならすでに環境ができているのですぐに開発にとりかかれます。サービスにもよりますがパソコンや携帯端末、各ブラウザーに対応しているサービスもありますので、クロスプラットフォームアプリケーションの開発が速く簡単にできます。
コストを抑えられる
サービスとプランによって従量課金制や月額料金制などを選ぶことができます。買い切りでは高額な最新ソフトウェアやツールでも、使った分だけ料金が発生するシステムならコストを抑えつつ利用できます。
離れていても一緒に開発できる
例えば、開発チームのメンバーが離れたところにいてもPaaSなら共同作業が可能です。それぞれのメンバーがインターネット経由で同じ開発環境にアクセスすればどこにいても問題ありません。
3.クラウドサービスの種類3:自由な開発ができる“laaS”
laaSは「Infrastructure as a Service」の略で「イアース」や「アイアース」、「アイエーエーエス」などと呼ばれています。直訳すると「サービスとしてのインフラ」という意味です。名前の通り開発のためのインフラを提供しています。
laaSの特徴と注意点
laaSはミドルウェアやOSを自由に選択できるため、より自由にアプリケーション開発やプラットフォームの作成ができます。
PaaSやSaaSに比べ専門的な知識が必要になります。OSやミドルウェアの導入や設定もすべて自分でしなければなりませんし、更新やセキュリティ対策も自己責任となります。よく検討してから導入しましょう。
PaaSとの違いとメリット
PaaSでの開発は環境がすでに整えられているため自由度が制限されてしまいますが、laaSはOSやミドルウェアの構成、設定に制限がありません。PaaSにはない特殊なソフトウェアを使用したり細かな設定を変更することが可能です。
とにかくできることの幅が広いので、他のクラウドサービスでは作れなかったような自社システムの開発や、思い通りのアプリ開発に向いています。
4.まとめ
クラウドサービスの種類は大きく分けて、SaaS・PaaS・laaSという3つがあります。便利なアプリケーションをいつでも使うことができるSaaSはもっとも導入が簡単で使いやすいサービスです。
開発環境を提供しているPaaSはすぐに開発が始められるのが特徴です。laaSは専門的な知識が求められるものの、より自由な開発が行えるのが特徴です。クラウドサービスの種類と違いをうまく活用して、これまで大変だった作業の効率化とコストの削減を実現しましょう。